篠弘さんと
きょうは、月1回の「NHK短歌」の収録。
ゲストに篠弘さんをお迎えした。
投稿のテーマが「昭和」ということで、昭和一桁生まれの篠さんと、昭和三十年代生まれの私の二世代で語ろうと言うわけだ。
打ち合わせのときの雑談で、戦時には食糧難ということはなかったという篠さんの話に驚く。実際の食糧難は兵士の帰還後すなわち戦後におこったという。
健康優良児表彰は、昭和5年に始まった。
『健康優良児とその時代』(高井昌吏・古賀篤)に詳しい。
戦時の日本である。
健康優良児となった男子はいち早く召集され半分は死んだという記録がある。怖ろしいことである。
対談は「不安」について。
原不安と謂ふはなになる 赤色の葡萄液充つるタンクのたぐひか
葛原妙子『葡萄木立』
「原不安」とは、心理学の用語で出産時の胎児の不安のこと。
不安ということを調べていくうちにフロイトの『制止、症状、不安』(1926年)という著作に出くわした。そこに「原不安」という言葉があったのだ。
篠さんは
「加藤君は難しい歌を選んできたなあ」
とおっしゃった。
今日は、リハーサルなしの一発撮り。
博識な篠さんに助けられた一日だった。
放送は、8月8日。
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