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2007年12月27日 (木)

現代短歌朗読集成

現代短歌朗読集成、今日無事、収録が終わった。
風邪ひかないようにとか、いろいろ気をつかった。アーカイブの性格が濃いからである。

この朗読集成、与謝野晶子の時代から脈々と続いていて、今回が第3版となる。新たに現代の歌人20人が収録という形だ。
第1版はコロムビアからLPレコードで。第2版はカセット。 第2版の葛原妙子、春日井建の朗読は忘れがたい。
今回は、CD(デジタル録音)である。

水原紫苑さんと同じ時間帯にスタジオ入り。水原さん、実にいい朗読であった。ああ、この瞬間に立ち会ったのだという思いである。

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2007年12月24日 (月)

私の選ぶ今年の歌集・歌書

次の5冊を選びました。

 ・奥田亡羊『亡羊』(短歌研究社)

 ・米川千嘉子『衝立の絵の乙女』(角川書店)

 ・岡井隆『家常茶飯』(砂子屋書房)

 ・高島裕『薄明薄暮集』(ながらみ書房)

 ・大滝和子『竹とヴィーナス』(砂子屋書房)


 宛先も差出人もわからない叫びをひとつ預かっている

奥田亡羊『亡羊』より。痛ましい現代を受けとめる強烈な自我がある。


 心の闇、ではなく心は闇である人の世に咲く巨大朝顔

米川千嘉子『衝立の絵の乙女』より。無名の個人の悲哀と闇を歌う。


 わが墓はわたつみにこそあるべけれかく信じたるをとこをみなあはれ

岡井隆『家常茶飯』より。岡井は、短期間の書き下ろし歌集、過去の作品と新作を編集した歌集など、歌集の様式そのものを問いかけている。


高島は和歌の部立で意欲的に構成。日本の原像に迫る。

大滝の孤高のポエジーは健在だ。

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2007年12月18日 (火)

菱川善夫氏を悼む

12月15日、菱川善夫氏が逝去された。
78歳。胃癌だったと新聞は伝えた。
なんということだ。壮絶な死であった。
前衛短歌は根こそぎ終ったと思った。

20070609light

今年6月の神變忌シンポジウムでお会いしたのが、私には最後となった。
菱川さんは会場発言として、強い調子で、われわれを叱咤した。

 春の夜の夢ばかりなる枕頭にあっあかねさす召集令状 塚本邦雄

この歌はこう読むんだと菱川さんは、微笑んだ。
「あっ! あかねさす召集令状」
この「あっ!」は、絶叫であり、それでいて、現代短歌の未来への希望ともいえる、晴朗な声であった。
はっきり耳に残っている。

 現代短歌はすでに前衛短歌をもって終わっているのである。批評家の任務が未来の目を先取して現代を批判するところにあるとはいえ、ともに死するに足る作家と作品を持たぬところに、未来の目の豊かであろうはずもありえまい

                        菱川善夫「実感的前衛短歌論」

これだけ作家と斬り結んだ批評家は絶後である。
われわれが本当に欲しいのは、解釈や技術批評ではない。
この苦闘続きの現代短歌を先導する勇気が欲しいのである。

 激しい否定と断絶を求める精神にしか、現代短歌は成りたたないのである。

                    菱川善夫「現代短歌と近代短歌」

あなたの言う意味での、現代短歌は、死滅寸前である。

菱川さん!

ご冥福をお祈りいたします。

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